賃貸住宅が供給過剰を迎える中、土地活用の手法は多様化している。不動産業者でなくともコンサルティングを業とする会社や業者が増えてきた。土地活用を実践するオーナーにその実情を聞いた。
車好きゆえ洗車場を開始
車が好きだった戸倉昇オーナー。自身、以前は整備工場を経営していたぼどだ。親の代から受け継いだ土地を活用する際にも車に関連のあるビジネスを考えた。周辺の街道に面している土地は、ディーラーの販売店として賃貸に出した。気が生い茂り、利用されていなかったこの土地も同じだ。当時はまだ珍しかった洗車場に挑戦することにした。
350坪今日の土地に門型洗車機2台、スプレー洗車機5台、マット洗い機1台、車内掃除機4台、オゾン脱臭機1台を設置している。プリペードカードを導入するなどの取り組みも特徴。
売り上げは月に約200万円だという。
「約20年利用してくれている人もおり、馴染みの客とはよくあいさつします」(戸倉オーナー)
冷暖房完備の休憩室を備えており、オーナーや家族が利用客を近い距離で接するのもこの洗車場の特徴だ。毎朝の掃除などは一家が行い、奥さんはお茶を出すのアドして積極的に利用客と関わっているという。このような経営が好評で地域住民の「憩いの場」としても認知されている。
同洗車場には同時にペット用シャワーも設置している。ペットを連れて来るついでに洗車、洗車をするついでにペットにもシャンプーするといった利用者が見込めるという。ただし、この相乗効果は思ったほど発揮されなかったという。
洗車場との相性を考えるとペットシャワーよりもコインランドリーの方が合っているという。雨が降れば洗車場の利用は大幅に減るが、代わりにコインランドリーの乾燥機がフル回転するといった具合に、「全天候型」の土地活用を実現できるからだ。
それでも洗車にペットを連れてくる利用客も少なくない。そのため 、ペットシャワーもそれなりに稼動している。
「最近はレジャー感覚で洗車をする人も少なくありません。門型洗車機が設置されているガソリンスタンドも増えており、機械も性能を上げています。それでも、あくまでも自らの手で洗車をしたいという声は根強く、ファミリーやカップルの利用が目立ちます」(戸倉オーナー)
(全国賃貸住宅新聞 2006年11月13日号より)
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